
天然100%エコールと
羊毛・ポリエステル混紡断熱材との比較
知っていますか?
水分吸湿能力やVOC吸着能力は羊毛自体にあるのです。
エコール天然100%羊毛断熱材を使っている方から問い合わせがありました。
羊毛・ポリエステル混紡断熱材を輸入している業社の説明では、羊毛100%では結露を防ぐことは出来ず、それを防ぐには親水性の高いポリエステルの入った混紡羊毛断熱材だけだと説明しているそうです。
この宣伝には、誤解を招く可能性がありますので、エコールと羊毛・ポリエステル混紡断熱材の調湿性能比較テストをしてみました。試験は、財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)に依頼しました。
羊毛・ポリエステル混紡断熱材を輸入している業社の説明では、羊毛100%では結露を防ぐことは出来ず、それを防ぐには親水性の高いポリエステルの入った混紡羊毛断熱材だけだと説明しているそうです。
この宣伝には、誤解を招く可能性がありますので、エコールと羊毛・ポリエステル混紡断熱材の調湿性能比較テストをしてみました。試験は、財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)に依頼しました。
財団法人 日本繊維製品品質技術センター
エコール断熱材の調湿性能

JIS L-1081という試験方法は、 設定の温湿度環境状態の中に試料を置いて、一定時間(今回は6時間)経過後試料を取出し重量を測定します。
エコール断熱材の調湿性能

JIS L-1081という試験方法は、 設定の温湿度環境状態の中に試料を置いて、一定時間(今回は6時間)経過後試料を取出し重量を測定します。
そして、絶乾状態の試料重量に対する水分増加量を算出し、断熱材の含水率(%)で表示する方法です。
エコール羊毛100%断熱材 調湿性能グラフ

財団法人: 日本繊維製品品質技術センター

財団法人: 日本繊維製品品質技術センター
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調湿性能比較 |
試験室内 |
羊毛・ポリエステル混紡断熱材よりも2.16倍(25℃・90%の環境条件) という、非常に高い水分吸収能力を保持していることが証明されました。
テスト・データーから
テスト・データーから
- エコールのほうが水分吸収能力ははるかに高い。
- 6時間後の結果、すべての条件下で、エコールのほうが積極的に湿度を吸収している。
- 従って、ポリエステルの親水性は、積極的に湿気を伝えるパイプ役という説明にはならない。
- この表の結果を見ても、エコールの調湿能力は、ポリエステルの親水性や速さに影響されなことが証明された。
- 結露対策には、より水分吸収能力の高いエコールのほうが効果的であることが証明された。
- エコールは、ポリエステルがない分、直接効果的に吸着吸収能力を発揮することが証明された。
水分吸湿能力
邪魔するものが無いから2.16倍の吸湿・吸着能力
現在のエコールは、天然100%の羊毛断熱材です。当社比較テストでも、羊毛・ポリエステル混紡断熱材よりも2.16倍という、非常に高い水分吸収能力を保持していることが証明されました。直接・効果的に羊毛の吸着・吸湿能力が働くのは、他の羊毛断熱材のように、ポリエステルなどの繊維が入っていないからです。

難燃性について
知っていますか?
難燃性は羊毛自体にあるのです。エコールは天然100%の羊毛断熱材です。
化学系薬品での防炎加工処理もしていません。
何故、エコールは難燃性に優れているかを、説明していきましょう。
ここでは、羊毛とポリエステルの性質を、ザ・ウールマーク・カンパニーからの資料を参考にして比較します。
ザ・ウールマーク・カンパニーの資料から繊維の燃焼特性を調べました。
ここでは、羊毛とポリエステルの性質を、ザ・ウールマーク・カンパニーからの資料を参考にして比較します。
ザ・ウールマーク・カンパニーの資料から繊維の燃焼特性を調べました。
ザ・ウールマーク・カンパニーの資料から


限界酸素指数は、羊毛25、ポリエステル20、ナイロン20、ポリプロピレン19、綿18、アクリル18。これは「燃え難さ」や「燃え易さ」を表す指標のひとつです。燃焼を続けるのに必要な酸素濃度を表します。例えば、地球に存在する成分をあげると、窒素77.14%、酸素20.69%、水素0.01%、水1.20%など。
従って限界酸素指数が21以上のものは、何らかの操作をしなければ燃え続けることができないのです。羊毛は25という非常に高い数値です。ポリエステルの20という数値と比較しても、羊毛は非常に燃えにくい繊維であるということが分かります。ポリエステルは、燃え続けてしまう特性があるということが理解できるでしょう。化学系薬品で加工をしないかぎり、羊毛繊維のような特性はつくれないのです。
従って限界酸素指数が21以上のものは、何らかの操作をしなければ燃え続けることができないのです。羊毛は25という非常に高い数値です。ポリエステルの20という数値と比較しても、羊毛は非常に燃えにくい繊維であるということが分かります。ポリエステルは、燃え続けてしまう特性があるということが理解できるでしょう。化学系薬品で加工をしないかぎり、羊毛繊維のような特性はつくれないのです。
発火温度は、羊毛570 - 600、ポリエステル490 - 560。羊毛はポリエステルと比較して、非常に着火しにくい繊維であることが分かります。
燃焼熱を調べてみると、羊毛4.9、ポリエステル5.7。羊毛はポリエステルと比較しても低い。このことから、着火温度が高いことと相俟って、燃焼速度も遅いという結果が出てきます。
融点を比較してみると、羊毛は溶解せず炭化。ポリエステルは250 - 290で溶解。ナイロンは160 - 260で溶解。ポリプロピレンは160 - 170で溶解。綿は溶解せず炭化。アクリルは240 - 320で溶解。溶解と炭化の違いに注意してください。羊毛は、着火しても熱による融解が起こらないで炭化してしまいます。ポリエステルは、 250 - 290℃で融解が起きる。羊毛は熱を遮断する効果をもたらすコークス状の燃えカスが生成されます。しかし、ポリエステルのような熱によって融解する繊維は、皮膚に付着して火傷の原因となるばかりか、炎を広げ火事を大きくする危険性を持っているのです。
最後に、羊毛はアミノ酸で出来ているので、燃焼時に独特の臭いを発生します。そのために、火災の早期発見にもつながるでしょう。
上記のデータを比較してみることにより、羊毛とポリエステルの性質を充分に理解していただけたと思います。
ところで、羊毛・ポリエステル混紡断熱材は、防火認定取得をして差別化をはかっていますが、この表から考察できることは、ポリエステルは羊毛よりも燃えやすく、融解したポリエステルが体に付着すると、火傷による死亡という悲惨なケースも起きるという可能性があります。
現在のエコールは天然100%の羊毛断熱材です。だから、化学系薬品で の防炎加工処理もしていません。しかし、エコール羊毛100%断熱材は、防火認定取得がなくても、羊毛・ポリエステル混紡断熱材よ り、遥かに着火性の低い安全な製品であることが、繊維の燃焼特性を通して理解していただけるでしょう。そして、ポリエステルの混紡率が増えれば危険性は高くなる可能性があるということが、上記の結論から導き出すことができるでしょう。
私たちの投資と品質改善は、防火認定を取得するよりも、どうしたら羊毛をたくさん使うことができるかに、時間と労力を費やしたのです。
上記のデータを比較してみることにより、羊毛とポリエステルの性質を充分に理解していただけたと思います。
ところで、羊毛・ポリエステル混紡断熱材は、防火認定取得をして差別化をはかっていますが、この表から考察できることは、ポリエステルは羊毛よりも燃えやすく、融解したポリエステルが体に付着すると、火傷による死亡という悲惨なケースも起きるという可能性があります。
現在のエコールは天然100%の羊毛断熱材です。だから、化学系薬品で の防炎加工処理もしていません。しかし、エコール羊毛100%断熱材は、防火認定取得がなくても、羊毛・ポリエステル混紡断熱材よ り、遥かに着火性の低い安全な製品であることが、繊維の燃焼特性を通して理解していただけるでしょう。そして、ポリエステルの混紡率が増えれば危険性は高くなる可能性があるということが、上記の結論から導き出すことができるでしょう。
私たちの投資と品質改善は、防火認定を取得するよりも、どうしたら羊毛をたくさん使うことができるかに、時間と労力を費やしたのです。
なぜ結露が起きるのか…
結露対策を考えるには、
家全体のバランスを考えることが大切です。
結露が起きる原因としては、積極的に室内の温度が開口部を通して外に逃げていくときに起きます。開口部とは、窓やドアなどの部分で、いちばん熱の逃げやすい部分です。ですから、結露対策を考えるには、家全体のバランスを考えることが大切です。
例えば、窓は断熱性の高い2重ガラス木製サッシにする。また、ドアなども断熱性の高いものにすれば、結露対策に効果があるでしょう。ある会社の宣伝に出ているような、断熱材だけで防げるものではないのです。
壁の中を高断熱にしただけで、結露対策にならないことは、これで十分にお分かりになったと思います。
壁内結露
さて、もうひとつ。施工も影響するとことを、忘れないでください。ここで、考えなければならないことは、壁内結露のことです。もし、これが起こった時、ポリエステルの親水性は、かえって悪い影響を与える可能性があります。それは何故か。水分はポリエステルの表面に液状で付着するだけなのです。壁の中の温度がマイナスになり、もしポリエステルに水分が付着していたら凍ってしまいます。 羊毛の場合は、水分を分子で捕らえ、羊毛の繊維内に取り込んでしまう性質があります。そして、環境が乾燥すると水という液体ではなく、分子として放出するのです。このことからも、水の分子を取りこんだ羊毛は、氷点下でも凍らないことが証明されています。
グラス・ウール断熱材の場合、グラス・ウール繊維の表面に水分が付着したり凍ったりすると、断熱材の機能が失われてしまうことは良く知られていると思います。このことから、ポリエステル繊維でも同じようなことが起きます。ポリエステルの混合が多ければ多いほど。その可能性は大きくなるでしょう。
天然100%羊毛断熱材エコールは、ポリエステル混紡よりも水分吸収能力が高いことは、前回の調湿能力のデータを見れば理解していただけるでしょう。
結露対策には、水分吸収能力の高いエコールのほうが、ポリエステル混紡断熱材よりも、効果的だということになります。
開発・設計思想の違い
わたしたちは、すでに他社の羊毛断熱材と同じ製品を、
同じ品質で開発する技術は持っていました。
4穴ポリは繊維業界では良く使用される米国合繊メイカーのポリエステルです。長尾商事(株)は繊維会社なのでよく理解しています。4穴ポリエステルは、単純に、調湿機能速度を敏速にするために、ポリエステルに穴を開けた構造のファイバーです。ポリエステルを、少しでも天然羊毛の機能に追いつこうと、無理やり4穴を開けて、羊毛の吸湿発散性に近づこうとして開発されました。これは、合繊メーカーの永久の夢なのです。ですから、現在では4穴だけでなく、5穴や6穴など多くの穴開きポリエステルが合繊メーカーによって作られています。ただ、ポリエステルを使用している限りは、土に100%還元できる製品はできません。
ですから、長尾商事(株)と共同開発するときには、薬品処理も土壌に還元できるように、すべて自然素材だけで開発することを決めたのです。梱包や印刷インクにも自然素材を使用しています。
私たちの開発目的は、他社とは違った視点にあるのです。私たちは、他社のような類似製品と同じ視点で、羊毛断熱材を開発したわけではないのです。
そこに大きなこだわりがあります。